「ご機嫌いかがかしら?」
ぎぃ、という重い音と共に光の中から姉の声がした。
私はゆっくり体を起こして、いつものように明かりに慣れない目を思い切りこする。
姉が自らここへやってくるのはいつ以来だろう。
人のことは言えないけれど、姉の体は成長しないのでわからない。
「私の可愛い妹のことが気になって、じっとしていられなくてね」
うそつき。
たまたま思い出したから来ただけのくせに。
私がおかしなことをしてないか心配になっただけのくせに。
「ケーキと紅茶を持ってきたわ。食べなさい」
姉の手には小奇麗な金の皿とティーカップ。
床に置かれた皿から甘い香りが漂い、渇いた口の中がじゅっと音を立てて潤う。
そろりと近寄って見ると、姉はなんと非情なことだろうか、皿の上にはケーキのスポンジの欠片が転がっているだけで、カップの中には赤い葉っぱが一枚入っているだけだった。
あんまりだと思い姉を睨むと
「食べたければ、外に出てきなさい、フラン」
哀れむように私の頭をなでた。
ひどい、姉は私に嫌がらせしかしない。
「あなたのことが嫌いだからこんなことをしてるんじゃないのよ。ただ、私は…」
言い訳がましい、本当は私のことが大嫌いなくせに。
だからこんなところに閉じ込めて、出られなくしておいて、そして外に誘うんだ。
姉に背を向けて部屋の奥で横になって熱くなった頬と瞼を冷たい床に押し付ける。
まだ姉が私に何か言っているけれど、耳障りだから早く出て行ってほしい。
外の光が目に刺さるし皮膚は焼けるように痛む。
いっそこのままこの扉が二度と開かなければいいのに。
・・・・・・・・・・・・・・・
奇子読んだ記念に地下から出られなくなってしまったフランちゃんを
大丈夫さ、このあとは美鈴に抱っこしてもらってるから!
美鈴はフラン甘やかし、咲夜はレミリアを甘やかすのでパチュリーが厳しく躾けるよ
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